虚構太郎

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4/14+15 『WATCHMEN』、『BLAME! 』、『イノセンス』、『惡の華』

実家に帰っても特別やることはないので適当に作業しながらNetflixで映画を流していた。いくつか見たので一応感想を残しておく。

WATCHMEN

アメコミ映画だが、アベンジャーズなどで知られるマーベルコミックスではなく、スーパーマンバットマンなどのDCコミックスの作品。ヒーローもので時々ある、かつてヒーローだったけど社会的な事情で一般市民に戻ることになったが...系の話。主人公のローシャッハという、ノーランのバットマンみたいな声で喋る覆面のヒーローがかっこよくて良かった。物語というのは結局よく出てくるキャラクターが好きになれるかが大事なんだというのがよく分かる。ローシャッハは、みんながヒーローやめろという条約に従っている中で一人だけコソコソヒーローをやっているなんか陰気なやつで、何をするにしても行き過ぎた暴力で解決しようとしてしまう。そして仲間にも、覆面の下を見せようとしない。不幸な生い立ちがありながらも周りと衝突しながら戦い、結局覆面自体が彼自身の顔になってしまった倒錯具合や、その孤独さ、頑固さが極端ながらもどこか自分の業につながるところを感じてしまう。

BLAME!

原作は弐瓶勉による同名マンガ。弐瓶勉作品は『バイオメガ』を最終巻以外と『シドニアの騎士』を途中まで読んだくらいだが、やたらデカい建築物が出てくるところや画面の暗さ、アクションの派手さがかっこよくて割と好みではあった。『BLAME!』のアニメに関してはNetflix制作の映画であり原作は10巻あるから全体の話をやっているわけではない。おそらく原作からどこか抜粋してきたかと思うのだが、読んでないので判断できない。主人公は超人的な力と全てを貫く最強のビーム銃を持った、チート系キャラで口数は異常に少ない。その孤独感は『WATCHMEN』とは違いそもそも人間ではない空気を漂わせている。こいつが、暴走し人間を敵とみなしながら無限に建造物の上に建造物を作る勢いで増殖する機械都市で、一人この状況を打破しようと旅しているというのが基本の話で、この映画ではそんな絶望的状況下でもなんとか暮らしている村を助けるというのが大体の流れになっている。とにかくこの無限に自己増殖する都市というのがカッコいい。上下にも四方にも無秩序にそして無限に広がる構造物は底知れないほど不気味で、ディティールとしては賑わいのないサイバーパンクの街といった感じで配管や汚れた雰囲気がgood。それと、すごい強い主人公がすごい強いやつと戦い周りが破壊されていくのも大怪獣バトルのようでいい。物語の内容としては大したものがあるわけではないが、好きなものをいっぱい見せてくれアニメとして楽しめた。CGが不安の種だったが演出が一部除いてよかったので概ね大丈夫だった。

イノセンス

押井守に関してはそこまでファンというわけではない。攻殻機動隊はかっこいいがどちらかといえば原作マンガのちょっと人情やユーモアも含んだ雰囲気の方が好みだし、パトレイバーは映画を見たはずだと思ったけどそんなに記憶に残ってない。さらにイノセンスは眠い映画として挙げられてもいたので敬遠していたが、せっかくだから見てみた。2004年ということで海外アニメ(主にPIXARなど)は既にCGを使っていたが日本では全然といったところで、CGを意欲的に取り込んでいるなという印象がまずあった。当時の水準でどの程度だったのかというのは正直よく分からないが、流石にPIXARやハリウッドの実写映画には劣るが、網膜に移るインターフェイスとかはかっこよかったかなと言ったところか。内容としては、まず暗すぎてなんだか笑えてきたというのが序盤の印象だった。バトーとトグサが車で会話するシーンでは、間が結構あり全然こいつら会話好きじゃなさそうだなあとなり、他の会話シーンでも口をひらけば仕事のことそっちのけで勝手に哲学的なことを語り始めたり聖書とかから引用してきたり好き放題やってきて、そこに時々唯一の常識人であるトグサがつっこむというのがシュールな笑いを誘った。冗談はさておきSFとして映像はかっこよくそれなりに面白かったが、また見たいかというとなんともといったところかな。

惡の華

最後は映画ではないが、実家にマンガがあって全部読見返したので少し触れようと思う。このマンガは本当に面白かった。暗めの思春期を過ごした人なら誰しもが共感できそうな内容で、今読んでも恥ずかしながら確かに「向こう側」行きたいなあと思ってしまった。

あとはトゥルーマンショーを30分くらい見て何て意地悪な話なんだとおもったくらいだろうか。たまには映画を見るのも悪くないね。