虚構太郎

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Yの悲劇/エラリー・クイーン

本格ミステリの巨匠エラリー・クイーンの代表作の一つ。でもWikipediaで見たら、日本での人気が異様に高いらしいが、真相はいかに…。

ともかく、読んでみた感想としては割と面白かったが満足したかと言われれば微妙だった。まず犯人の意外性やその辻褄合わせに関しては、割と完璧に近くて思わず舌を巻いたが、一方で読んでいて引きが弱いというかミスリードが薄いような気がした。これは時代を考えるとしょうがないかもしれないが登場人物や設定の魅力が個人的には物足りない。つまり、ミステリーとしてはよくできているが単純に物語としての面白さをあまり感じ取れなかったとまとめられる。

ただ、そもそも自分の好みが日本の新本格以降で社会や人間性と関連付いた叙述トリックを用いるような、歌野晶午我孫子武丸乾くるみなどの作品にあることを考えると、本格ミステリが別にそこまで対象に入っていないもしくは楽しみ方を分かっていない可能性もある。

そんな話をミステリ好きの人としたら、それならエラリー・クイーンだと『シャム双子の謎』とかなら好みに合うかもみたいなと言っていたので次読むならそこかな。