虚構太郎

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9/15 CHRISTOPHER ROBIN

色々書こうと画策したが、結局やる気を無くしたので適当なことだけ言っていく。

zabadakの「はちみつ白書」収録の「CHRISTOPHER ROBIN」。「はちみつ白書」というのは、「くまのプーさん」をモチーフにしており、この曲名のクリストファーロビンもそこに登場するプーさんの友人である少年の名前になっている。

「世界の謎を探しにいく 一人でねって君は言う」

アルバムの2曲目に位置しているこの曲は、上の歌詞にもあるように、旅立つ少年の話となっていると思われる。そこには、外の世界への希望と"この場所"から離れる不安、孤独が入り混り高揚した少年の姿が見える。また、歌詞の視点としては少年の主観ではなく、むしろ外側から見つめる存在(プーさん?)からのものとなっている。また、最後の方には

「クリストファーロビン×2  おうちの外へ出ておいで 

クリストファーロビン×2  魔法の森で待っているよ」

という呼びかけが。ここで、クリストファーロビンが今聞いている'私'と重なり、童話のような世界に誘われていく。

この曲を聞くと明るくも、どこかノスタルジーを感じるのは、失われた少年時代の夢、抽象的な形で存在した外へ向かっていく気持ちが歌われているからかなと思う。歌声も、女性だが、どこか幼さを帯びつつ溌剌とした感じ。かいけつゾロリの「空は青」や「あかねいろ」の佐藤さんを思い出させる。

日曜日の朝、かいけつゾロリを見ていたころ。別に、大していいこともなかったと思うが、変わってしまった、2度と返ってこないあの一瞬の存在を感じると、何だか足元がぐらつき、今のここは何処なんだろうという不安を覚える。無自覚に色々なものを失っている。その残酷さの上にいる。

こう思うと、ノスタルジーを求め消費することは、もはや自傷行為に近いのではないかとすら思われる。失ったものを自分に見せつける。戻ってこない"あの頃"と今を比べる。そこで見えない自分の古傷を少し開き確認する。

 

今ここを生きることはあまりに難しい。

 

https://youtu.be/XXXcvmSUbk0