虚構太郎

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9/18 Ballad Of Big Nothing

ひさびさにElliott Smithの「Either/Or」をきいたらセンチメンタルジャーニーに直行した。

「Ballad Of Big Nothing」、直訳すると「大きい無のバラード」。叙情的な雰囲気の漂う"Ballad"に対して、ぽっかりと穴が空いたような"Big Nothing"。

英語なので実際に何が歌われているかは分からない。調べる気もあまりない。真面目な/怠惰な聞き手として、僕は曲そのものと曲名で勝手に自分のイメージを作り上げてしまった。今更それを壊されるのは、Elliott Smith本人の意図だとしても、ごめんだなと思う(死人だから口なしだけど)。

じゃあお前のイメージって何だよって話になると思うが、イメージはイメージで、言葉にできるものじゃないから言えない。そもそも"Big Nothing"なんだから言葉になることなんて何もないはずなんだろう。

もう少し真面目に話すと、"Big Nothing"というのは僕の中ではいわゆる「唯ぼんやりとした不安」に当てはめられている。何が原因かと問えば、いくらでも言葉は見つかる。でもそれを発してしまえば水をつかむように何かはすり抜けてしまう。

もちろん、人によってはここにもっと具体的な、別れとか失敗を当てはめることが可能だろうし、それが自然な気がする。でも生憎僕にはそこまでの人生経験はなかった。

こうやってありもしない"Big Nothing"をバラード仕立てで消費すること、ありもしない穴の前で立ち止まることは情けないなあと思いながらもやめられない。強制的に一回休みになってしまう。

 

話は変わって「Os-宇宙人」に

「愛してくれるかなと 狂ったりしてみると

 みんなが避ける中で

 ぱちくり見ているあなたがいてくれたから」

という歌詞がある。あまりにも不器用な人間の抱える理想を一発で言い表すこのフレーズはすごいなあと改めて感心したというところで締めたいと思う。