虚報太郎

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Mouth to Mouseにかこつけた自分語り

Mouth to Mouseというアルバムに出会ったのは渋谷のタワーレコードだった。当時大学受験で東京に来ていて、受験勉強中にバンドの他のアルバムをよく聞いてたので自然と手が出た。聞いていきなりピンと来たわけじゃないけど、その時はそんなに色んなバンドを知ってるわけでもなく音楽ストリーミングにも手を出してないので、なんとなくずっと聞いていた。

そして合格発表のシーズンになり、2つ受けていた大学両方に落ちて、これは浪人したなと思いながらも、3月の合格発表が終わってすぐにある後期日程を受験したらたまたま引っかかり晴れて大学生になれた。

とはいえ、受験するまで場所もよく知らないレベルの大学でそんなに乗り気じゃなく、入学最初のオリエンテーションでは、同じグループの人にチー牛扱い(当時そんな言葉はなかったけど)されて完全に出鼻を挫かれてしまった。

その後も下宿ではなく、少し離れた親戚の家に居候しており通学に1時間以上かかることから毎日のように遅刻し、そして大学が終われば即帰宅した。また割と重要なサークルの新歓イベントも、調べるのが面倒くさいのと急に痛み出した親知らずを抜いた後遺症に苦しんだのとでほとんど参加せず、唯一行ったのは、BMI標準未満のガリなのにアメフト部の新歓くらいだった。そんな中でも学科に数少ない友人はできたが、やはりとても想像してた大学生活とは程遠いものだった。そしてついに大学を受け直す方向に心がシフトし始め、数少ない友人の目を盗んで昼休みや学校終わりは参考書をやるようになり、いよいよ憧れの大学生活は完全に斜陽に入っていった。

そんなショボい大学生活から現実逃避するようにMouth to Mouseに入れ込み始めた。特にI・N・Mという曲がお気に入りで、1人でカラオケに行っては歌詞に自己投影しながら歌うという痛い行為を繰り返していた。

結局、浪人することを決心して夏休みになる前には大学に行かなくなってしまったが、そんな正直なんとも言い難い初めての短い大学生活を、このアルバムを聞くたびに思い出す。