虚報太郎

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妄想日記2

中央線に乗り込み、西を目指す。ずっと街並みが続く。中野、荻窪、吉祥寺、国立、立川、八王子。本を読もうとするけど、車窓に目がいったり、スマホに目がいったり、他の乗客の会話に気が散ったり、ちっとも進まない。

高尾に着いた。早速帰りたい。でも、さっきまで通ってきたところをまた折り返すのも面倒だし、先に進むことにした。でも先ってどこまで?中央線はとても長い。甲府を通り北上、長野の諏訪湖まで行くとカーブし、南西へ向かい最後には名古屋まで行く。当然一本の電車で行くわけではないが、路線は続いている(はず)。あと、途中いくつも分岐が存在する。上田や長野の方面に抜ける小諸線、松本方面に向かう篠ノ井線、南下し静岡県を通過しつつ豊橋まで行く飯田線

どうせ、乗っているだけなのでどこでもよかった。行った先でもやることは特にない。街なんてそこに知り合いでもいなければ、どこへ行っても大して変わらない。

遠目に映る山を見ながら、考えているとやがて電車がやってきた。目の前でドアが開く。とりあえず乗り込む。座席は選びたい放題(ロングシートだけど)だったので寄りかかれる端へ。周りをちらと見るとアウトドア向けの格好をしている人がちらほら、少し非日常の空気がした。

やることもやりたいこともないので、左右の親指の関節のシワを見比べていると発車の信号がなる。ドアが閉まり、外から隔絶される。発進のときのGに揺られつつ、まどろみに入っていった。