虚報太郎

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4/24 のすたるじ

寂れた街道沿いのおもちゃ屋のことを思い出す。

何年も前のおもちゃが店内を取り囲むように積層していて、最新のゲームはレジ前のショーケースにある。薄暗い店内は、とても繁盛しているようには見えない。子供の頃はなんの気もなく立ち寄り、サワーペーパーのグレープ味を買っていた。家の近所にはそこくらいしかないからだ。また、唯一大きい買い物をしたのは、小学校からの帰り際、モンハン3rdを発売日最速に買ったとき。通学路付近で唯一ゲームソフトが売っている場所だった。

今、あの店のことを考えるとなんだか物悲しくなる。時代に完全に取り残されたあの場所。今やっているのかは正直いうと知らない。おそらく、もう店じまいしているかもしれない。店番のおばさんは、僕の祖母の同級生で、それなりにご高齢だろう。

街道は、一部区画整理の対象となり、その姿を変えている。それ以外にも近所の多くのところが変わった。ドブ川や空き地は消え、巨大ショッピングセンターに向かう大きな道ができた。その道はあまりにも大きくて平坦で、全てを飲み込んでしまうようだなと帰省するたびに思う。夜散歩をすると、車通りのない道は、街灯に照らされ、ただそこにある。片方は台地を登る坂につながり、もう片方は空き地に囲まれたショッピングセンターに。唯一その道の脇にある、コンビニは夜中でもやっていて、散歩ついでに立ち寄る。やたらに明るい店内に目をチカチカされながら、カップ麺とレッドブルを買って去る。