虚報太郎

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『機動警察パトレイバー the Movie』を見た

作業ついでに見るつもりが、なんだかんだ面白くて作業そっちのけで見てしまった。パトレイバーは、漫画家のゆうきまさみメカニックデザイナー出渕裕らなどによって企画されたメディアミックス作品で、今回のアニメの監督を務めた押井守もそこに加わっていた。

さて、押井作品としてはむしろこの後の劇場作品であるパトレイバー2が語られることが多いと思うが、今回見て確かに押井作品にて頻出テーマである’退屈’や’終わらない日常’というのは息を潜め、元々のパトレイバーという企画をあくまで尊重してやっている印象は受けた。しかし、画作りや間の感じは押井っぽさが全開に出ていて、例えば刑事二人が犯人の痕跡を求め真夏で蜃気楼が立ち込める中、ひたすら廃アパートをまわるシーンがあるが、そもそも廃アパートというのがうる星のビューティフルドリーマーでサクラ先生がバイクで突入する埃まみれのボロアパートや攻殻機動隊で家宅捜索する汚いアパートを彷彿とさせる。もっといえば廃墟の趣味もそこに出てるなという気がした。細かいことはさておき、独特でかっこいい画作りで比較的楽しげで見やすいエンタメ作品をやってくれてるというところでかなり面白く見れる映画だと思う。そう思うとそこに押井らしい思想も入れることに成功したビューティフルドリーマーはやはり傑作ということになるのかもしれないけど。あと特に印象に残ったのは、最後のレイバーでの決戦でクライマックスだから派手ににいきそうなところをBGMがなく効果音だけが響く静かなシーンなカッコイイシーンにしておいて、終わると急に大団円的なテンプレBGMが流れ泉野明と篠原遊馬が抱き合ってイエーイみたいなノリでEDに向かうアンバランスなところで、この作品の塩梅を象徴しているような気がした。

あとマンガ版も面白いのでおすすめです。