虚報太郎

書きます。Twitter→@iamsomepen

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混乱していた。言葉になる前の信号やノイズが反響してとにかくうざったい。五感も巻き込まれているのか、視界はあるのによく見えない。

とにかくビールを飲んでみる。最初に口に入れたときに感じる苦味のエッジはボケた頭に届かず、後からやってくる麦とホップの香りだけを感じて気持ちがいい。やがて頭が麻痺してきて、少しマシになってきた。

こういうときに下手に記憶を探るといけない。自分が立っているところの曖昧で不確かさが目に入って、いていられなくなる。

何事もなかったようにしよう。

本棚を眺める。その度に背表紙の文字がよりぼやけているような不安を覚える。これは神経質なだけだと思う。

寝た方がいいときに限って寝られない。逆に昨日は寝ない方がいいのに寝てしまった。

どんな姿勢でいるのが一番正しいのか、四半世紀くらい生きてて未だによく分かってない。足を組んでみたり、背を曲げてみたり。東京に出る前からずっとそんな感じだったから、上京してレントゲンを撮ったとき、正面から撮影されたはずなのに背骨がぐにゃりと横に弧を描いていて、ゾッとした記憶がある。それでも医者は、姿勢が悪いだけだから大丈夫だと言っていた。じゃあ良い姿勢を教えてくれよと今思えば言いたいけど、当時の僕はなるほどとなって帰宅した。

ビールが残り少なくなっていたので、グッと飲み干す。なんで最後に飲み干すときのビールはこんなに不味いんだろう。まあその方が一周回って、肩の荷が降りたような気分になるから悪くはないんだけど。

気分上がってきたから散歩でもしてこようかな。