虚報太郎

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羅針盤 - ソングライン

山本精一を中心としたバンド、羅針盤の3rdアルバム。

一曲目「がれきの空」のイントロでまずやられる。重なった音やフレーズのメロウさが美しい。Deerhunterの『Mictocastle』の一曲目『Cover Me Slowly』を彷彿とさせる。ささやくような歌声も心地よい。叙情的な、羅針盤をよく表す一曲だと思う。

三曲目「リフレイン」のような軽やかな曲もすてき。1分過ぎたあたりで突然挿入される、短いノイズパートのような遊び心もあり、2分あたりの叙情的な盛り上がりもある、バランス感覚がポイントだ。

アルバム名と同じ名前の「ソングライン」は、10分と長大なだけあって、美しいメロディが続く名曲。

羅針盤の曲は、非常に上質で、かといって気取った感じもない。非常に凝ったバンドサウンドで、素朴な(感じのする)歌ものをやっている。『ソングライン』が好きなのは、最初に『がれきの空』、ラスト前に『ソングライン』と二つの名曲が前と後ろにあり、最後までダレずに聞けるところと、アルバム全体に広がる、あたたかな雰囲気かと思う。

羅針盤の他の音源の曲だとEP『会えない人』の轟音ポストロック的な展開を見せる名曲「さけび」や1stアルバム『らご』の一曲目「永遠のうた」などが好き。