虚報太郎

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8/22 フィラデルフィア (フィラデルフィア美術館, バーンズコレクション)

朝、ワシントンD.C.ユニオンステーションに到着。駅とは思えないほど立派な造り。中に入ると、完全に持て余した馬鹿デカ空間がお出迎え。子供がスーツケースに乗り滑って遊んでいた。

アムトラックという、アメリカ全土に張り巡らされた高速鉄道に乗ってフィラデルフィアまで移動する。席は、新幹線と同じく自由席(coach)と指定席(business)がある。自由席を半年くらい前に予約したら$18で済んだ。今予約すると$70~はするっぽい。飛行機と同じような値段の変動っぷりは、前もって計画する海外旅行者なら良いけど、普段使いするにはどうなんだろうと思うけど。

遅延で悪名高い?そうだが、定刻ピッタリに出発した。車窓からは、ひたすら森林が見える。車内では無料のwifiが使えたり、コンセントがあったりとサービスが良い。ゴミを回収する人が1時間に一回程度巡回してくる。新幹線よりも強い揺れに揺られながら、2時間ほどの電車の旅はすぐに終わった。

フィラデルフィアの駅もやたらにデカい。天井が2~30mくらいありそう。ギリシャ・ローマへの憧憬を抱えた建築。

フィラデルフィアの駅構内

駅から比較的近いホテルだとたかを括って移動手段をあまり調べてなかったせいで、地下鉄の駅を探すまで迷いまくった。駅を出て全然あらぬ方向へ行ったところを、180cmはありそうなハーレイ・クイン風パンクギャル二人に声をかけられ、優しく教えてもらった。

フィラデルフィア美術館

フィラデルフィア美術館

街の中心であるフィラデルフィア市庁舎からまっすぐ伸びた大きな道路の先に、フィラデルフィア美術館が鎮座している。アメリカスケールの芝生と木しかない道を2km歩く。途中に、印象派コレクションで有名なバーンズコレクション、ロダン美術館がある。昼前で日差しが照りつけこたえる道のりだ。それを過ぎると、横幅100mくらいありそうな巨大な階段と、ギリシャ風の巨大な美術館が現れる。

コレクションは大枠として、アメリカ美術/ヨーロッパ古典美術/近現代美術/アジア美術の4つに分けられる。やはり特に良かったのは印象派から抽象、そしてデュシャンのコレクションを含む近現代美術だった。あと他のものも、それぞれのコンセプトごとに部屋を丸ごと作ってしまう、思い切った展示をしており、飽きさせない。例えば、ヨーロッパ古典美術のセクションでは、ゴシック協会の内部を再現しその中でステンドグラスや聖像を展示する、フランスの貴族の邸宅の一室を再現し絵画を飾る、またアジア美術では中国の寺院を同様に再現し仏像を展示していたり、体験し印象付ける工夫が面白い。また、一般の展示空間も内容ごとに内装が異なっていたり、凝っている。

個人的ハイライト

塗りの多層性、謎を残しつつキマっている構図、抽象化された人々、いつまでも見ていたい最高の絵。セザンヌの絵は習作が多かったが、これは洗練されてまさに集大成という感じ。

バーンズコレクション

印象派/ポスト印象派のコレクションで有名な美術館。バーンズ氏のコレクションが元になっており、その独特な展示方法でも知られている(詳しくは以下のブログで触れられているので参考までに)。

https://hypertree.blog.ss-blog.jp/2013-09-28

とにかく、壁に絵がたくさん敷き詰められており、圧倒される。謎の燭台があの前にあったり、装飾品があったりと面白い。ただ、やり過ぎて一つ一つが見えずらい気もするし、その壁全体の構成もあまり伝わってこなかった。また訪れたら違うのかもしれない。

コレクションは非常に充実していて、ルノワールが断トツで多く、セザンヌもよく見た。

個人的ハイライト

キリコの奇妙な絵。背景の歪んだ空間構成を全く無視して現れる、幾何学的物体、キャンパスの木枠などが心地よい。

深い青緑の海が美しい。