虚報太郎

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8/20 ワシントンD.C. 二日目(クリーガー, ナショナルギャラリー, フィリップス)

昨日の遅延を取り戻すべく、朝一でホテルを出る。サブウェイで腹ごしらえして、クリーガー美術館へ。

クリーガー美術館

クリーガー美術館は、ワシントン郊外の住宅街に位置し、クリーガー夫妻の元邸宅を利用して夫妻の集めたコレクションを展示している。美術館の周りは緑溢れる高級住宅街が広がりつつ、中心地から車で15分ほどの距離と近く、アメリカの光の部分を集めたような場所だった。

クリーガー美術館入り口

外観(一部)

美術館のコレクションは、印象派以降の近現代絵画が中心となっている。メインの広間はモネ、ボナール、シスレーなどの青が美しい、海の絵画で統一されており、コレクターの趣味が垣間見えて面白い。全体的に色彩の美しい絵画が多かった。また、建築もコンクリートのモダンな作りでかっこいい。外には庭があって彫刻が展示されている。落ち着いた雰囲気で、穏やかながら美しい絵画を見れて、心が安らいだ。

彫刻のあるバルコニー

Pierre Bonnard "Sailboat on the Sea"
ナショナルギャラリー

ナショナルモール沿いにあり、スミソニアン博物館群には含まれないものの無料で入れる。こちらは、本当に充実したところだった。西洋古典絵画がいくつもあって、印象派もいっぱい、ゴッホゴーギャンもいっぱい、あと別館には20世紀美術もいっぱいと、とにかく盛りだくさん。盛りだくさんなだけでなく、作品の質も良くて見て飽きなかった。資産価値が凄そう。

気に入った絵画についていくつか抜粋

クラーナハによる、”The Crucifixion with the Converted Centurion”という絵画。直訳すると「改宗した百人隊長と磔刑」。月面のような灰色で荒涼とした地面、夕焼け(or朝焼け)、三人の磔がイメージとしてかっこいいかつ、構図もいい。あとは、やたらに明るい夕焼けが、画面を下から上へ照らすような擬似的光線を生み出し、磔にされた三人にスポットが当たる感覚を生んでいる。隊長がいるのも、なんだか面白い。

セザンヌの『アルルカン』。道化師のスラリとした立ち振る舞い、赤黒の服装がかっこいい。また、セザンヌらしい、背景の色彩の陰影や色のまだらな配置は、道化師のフォルムの不自然さと相まって、どこまでも目が離せない。

フランシス・ベーコンの『走る犬のための習作』。モノトーンで犬の動きを捉えた異常にかっこいい絵。

フィリップスコレクション

資産家に生まれたDuncan Philips氏によって開館。アメリカで最初の現代美術館らしい。こちらもクリーガー美術館と同様に邸宅が美術館となっている(別棟が新たに建てられているが)。近現代の重要作品だったり、あまり知らない画家の良い絵画が展示されていて、興味深かった。あとロスコルームも存在する。四方に4枚のロスコがあって、照明は抑えめにされている。ただ日本のDIC川村美術館のロスコルームほど暗くなく、絵自体の色調も暗くないので、絵ははっきり見える。個人的に体験としては、日本のロスコルームの方が部屋は広くて枚数も多くまた照明がかなり暗いかつ絵の色調も鈍いので迫ってくるものがあって、良かったかなと思った。

LEE GATCH "Industrial Night"
オレンジや画面右の紫が美しい。

DICのロスコルームに行った時の感想↓ 

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